秋纏う、下ノ廊下へ①からのつづき。
阿曽原温泉小屋は、予約の時に念を押された通り、
食堂でお布団1枚に2人の雑魚寝!
小屋は混み合っていたけど、小屋の皆さんもお客さんもとってもフレンドリーで、
会いたかった人にも会うことができて、
良い時間だったな。
即席・女子軍団で一緒に入った、温泉も気持ちよかった!
そして、おいしいカレーライス!
2日目の行程は、水平道をおよそ12km歩いて、欅平まで。
今日も、断崖絶壁の道をえんえんと。
落ちたら、どこにも当たらずに川底までぽちゃん♪
しそうなくらいの断崖っぷり。
途中にある、折尾ノ大滝。
滝がいたるところにあって、その全てがかっこよくて、
滝マニア垂涎のトレイル。
三脚を持ってこなかったことを、ところどころ後悔していた、友。
使えるところは限られているけど、欲しいポイントはたくさんあって、悩ましい選択肢。
今日も、岩をくりぬいて作られた、水平な道。
どうやって作ったんだろう。どれだけ大変だったんだろう。
考えるだけで、気が遠くなりそう。
掘ってるときに、大きな石出てきた時のテンション下げ感、半端ないよね。
なんて、わりかしリアルに想像してみたり。
2日目も、最初から最後まで、絶えず、
落ちたら死ねる高度感。
やがて道は、奥鐘山西壁と向き合う。
別名、黒部の怪人だって…!!!
怪人て…!
黒部川から、ほとんど垂直に屹立する、その岩壁の存在感のすさまじさ!
ミルフォードサウンドみたいだね♪と、友に同意を求めるも、
理解は得られず。
クライミングの名所となっている、との情報だけど、
ここ登るなんて、ただただ恐れ多い。
ちなみに、黒部には怪人の他に、魔人と巨人もいるらしい。
岩をつかんで身体を浮かそうと、無謀にも挑戦する友。
ねぇ、そんなことしてると落ちちゃうよー!
やっぱり今日のあたしも、引き続きのへっぴり腰。
とにもかくも、岩をくりぬいて作られた道。
道中、真っ暗闇なトンネルも出現。
まんなかの、白いガレガレの沢を、突き抜けるトンネル。
足元には水の流れ。
小さめのあたしは、屈まないで進めるぐらい適度に高い天井。
ヘッドライトの灯りだけを頼りに進む、150mの不思議な空間。
中はひんやりしてて、手が冷たくなったけど、楽しかった!
欅平からと思われる、トロッコの汽笛が聞こえて、少し下界が近づいた頃。
後立山連峰がっ!
右端が、不帰センパイと唐松岳かと。
いつも見ている山を、そして大好きな峰々を、まったく逆の角度から見るって、
ほんとに貴重な瞬間。
反対から見ても、不帰センパイかっこいい♡
うれしいなー!
*
水平歩道が終わってしまうと、
欅平までの急激な下り…!!!
昨日の「ひどい仕打ち坂」と並んで、この旅の辛さのハイライト!
2日間、緊張で張りつめた心を折らせ、
約30kmを歩き通した身体に大打撃を与える、急坂。
なんたる仕打ち…!
秘境から下界へ戻るのって、試練が必要なんだな、と
苦く噛みしめた旅の終わり。
*
欅平からは、黒部峡谷鉄道のトロッコに乗って宇奈月温泉へ!
もちろんオープンエアーの客車に乗り込んで、
このために持ってきた防寒着ぜーんぶ着込んで、寒さ対策ばっちり!
でも、途中で予期せぬカメムシの奇襲にあって…
震えた…!
最後まで気を抜けない旅だったな。
トロッコの客車を選ぶ際は、あらゆるリスクを想定して、慎重に!
*
不真面目でテキトーでおちゃらけてうざい、そんなあたしに
2日間付き合ってくれてありがと。
腹筋が筋肉痛になるくらい、喋って笑って。
こんな山旅は初めてだったよ。
また、一緒に行こうね。
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