前回の続きです。
朝焼けに染まる雲。
しん、と静まりかえる中で、ゆっくりと明けていく時間。
良い朝でした。
雲ノ平山荘さま、お世話になりました。
素敵な素敵な小屋でした。
小屋の方々も、とってもあたたかくて。
厳しい中で暮らしているから、あったかいのかな。
今日は、まずは水晶岳へ!
名前的に、もっと女性的な山なのかと想像していたけど、
雲ノ平から見ると、ごつごつの稜線が勇ましい、かっこいいお山。
でも、まだ遠いー。
まずは祖父岳へ。
祖父岳山頂からは、今まで見えなかった槍ヶ岳が登場。
裏銀座の縦走路が、槍ヶ岳西鎌尾根へと、ずっと連なっているのが見えます。
いつもの山行だと、槍ヶ岳が見えると、
おおー!
ってテンションが上がりますが、
今回の山行では、
「裏銀座」と呼ばれる山々の雄大さ、神々しさに、
それ以上に心がときめきます。
やっと、少し近くなった水晶岳。
山頂付近の、岩岩しい雰囲気は感じるものの、
だいぶなめらかな印象に。
同じ山でも、見る角度によって雰囲気が変わるから、おもしろいですよね。
水晶岳!!!
もう、ほんと絶景。こんなご馳走いただいたら、帰りたくなくなるね。
ちなみに。水晶小屋は、今年は7月28日からの営業だそうですよ。
お気をつけあれ。
野口五郎岳にもお邪魔しました。
雪解けの、コバルトブルーの水がきれいな五郎池も。
先週、常念山脈方向から、こちら裏銀座方面を見て、
けっこう平坦そう♪
なんて甘い考えを持っていましたが、
やっぱり山は山。
しっかり登って、下りて、を繰り返し、ゆっくりと。
水晶岳も野口五郎岳も、風が強いところ。コースも長め。
天気次第では、低体温症になったり、疲労凍死につながるような、事故も多く。
山を歩く厳しさ、っていうのも感じながら、歩みを進めます。
烏帽子岳!
野口五郎小屋を出発した辺りから、雲が多くなってきて。
どうやら下界では、ものすごい雨が降っていたみたい。
雨に濡れずに歩けて、ラッキーでした。
巨岩、奇岩が、ものすごいバランスで組み合わさっている、烏帽子岳。
お、落ちそう…!
自然のなせる業って、とてつもない。
烏帽子小屋まで来て、やっと今日初の登山者と出会いました。
たくさんおしゃべりして、
みんなで夕日を待ったりして、
一期一会の出会いを楽しませていただきました。
あったかくて、お布団ふかふかで、おいしいごはんの烏帽子小屋。
小屋の方々にも、本当に良くしていただきました!
ありがとうございます。
裏銀座の山小屋って、ほんとに魅力的。
帰りは、ブナ立尾根を、一気に、がつんと下ります。
北アルプス三大急登のひとつ。
どういう基準でチョイスされたのかな?
丸太橋が増水して流されたから、渡渉かも…。
と、どきどきしていましたが、
無事に橋がかかっていました!
前日にかけてくれたんだって。何から何までラッキーでした◎
それにしても、すごい水量。
いつ、また流されてしまってもおかしくないですね。
高瀬ダムまでは、河原の広い道を、だらだらと。
砂漠みたーい!とはしゃいでいたら、砂が崩れて、転げ落ちました。
足元要注意ですよ。
どんどん山が崩れて、膨大な量の土砂が流れてくるんだって。
だから、毎日毎日たくさんのダンプカーがやってきて、
その土砂を運び出しています。
いつか、山がなくなっちゃうんじゃないかな…。
高瀬ダムについて、久しぶりにアスファルトの道を踏んで、
あたしの山旅はおしまい。
最高の天気、景色、そしてほとんど誰にも出会わない、贅沢すぎる山旅でした。
雲ノ平や裏銀座界隈、大好きになりました!
三俣山荘・雲ノ平山荘・水晶小屋の創業者であり、
黒部源流の開拓の父である、故伊藤正一さん著の「黒部の山賊」。
不思議で神秘的なこの界隈のお話がたくさん詰まった一冊。
カベッケや河童も登場するよ。
久しぶりに読み直そうっ!